コンクリートの解体費用はいくら?壊す方法もわかりやすく解説
2023年10月23日
RC造の住宅を解体するときや、庭の土間コンクリートを壊すときなど、どの程度の費用がかかるのでしょうか。コンクリートの建物の解体にかかる費用は、木造や鉄骨造の建物よりも高いのが一般的です。
コンクリートの解体の様々な工法や解体費用の目安、解体費用を抑えるための方法などについて、わかりやすく紹介していきます。
コンクリートの解体費用はいくら?
解体工事業者や周辺環境による違いもありますが、一般的な土間コンクリートの解体費用の相場は以下の通りです。
コンクリートの厚さ | 相場 |
---|---|
厚さ5cm(鉄筋なし) | 700円/㎡~ |
厚さ5cm(鉄筋あり) | 1,000円/㎡~ |
厚さ10cm(鉄筋なし) | 1,000円/㎡~ |
厚さ10cm(鉄筋あり) | 1,500円/㎡~ |
コンクリートの解体費用は厚みがあるほど高く、鉄筋の有無による違いでは、鉄筋が入っている方が高くなります。一般的に土間コンクリートの解体費用は1平米あたり700円~1,500円以上とされています。コンクリートの解体工事では、規模が大きいほど平米あたりの単価は安くなります。
ただし、実際に解体工事業者のホームページを見ると、土間コンクリートの解体費用は1平米あたり「2500円~」「3,000円~」あるいは「3万円」といった業者もあるほか、「5万円~」とする業者もあります。実際にはもっと大きな費用がかかると考えられます。
また、このほかにもコンクリートの解体工事費用を左右する要素があります。敷地による違いでは、敷地が広く重機を敷地内に置ける方が安く、敷地が狭く駐車場を借りる必要がある場合には費用がアップします。周辺の道路状況では、道が狭く大型の重機を横付けできないことから、小型の重機や手壊しでの解体となるケースや、交通量が多く隣接する道路に交通誘導員を配置する必要があるケースは、費用が高くなる要因です。また、住宅密集地では、騒音や粉塵の飛散を抑えるための防音パネルや防音シートなどによる養生費用がかさみ、解体費用が高くなることがあります。
コンクリートを壊す方法(解体方法)
建物や大規模な駐車場などのコンクリートを壊す方法には、主に次の4つがあります。
- クラッシャー工法
- ウォールソー工法
- ウォータージェット工法
- 圧砕工法
戸建ての土間コンクリートのみを壊す場合には、コンプレッサーなどを用いてはつり作業を行うのが一般的です。
クラッシャー工法
クラッシャー工法はワイヤーソー工法とも呼ばれ、ダイヤモンドカッターを用いてコンクリートを粉砕する工法です。
クラッシャー工法は工事中の作業音が比較的小さいというメリットから、近隣への配慮が必要な現場にも向いています。また、重機が入らないような狭い場所での解体にも用いられるほか、地面・床面に限らず、壁や塀の解体に活用できるなど、作業場所を選ばないことも大きなメリットといえます。
クラッシャー工法には目立ったデメリットがなく、様々な工事現場で用いられています。
ウォールソー工法
ウォールソー工法は施工面にレールに取り付け、レール上で切断機を走らせて切断していく工法で、壁面や天井面のコンクリートをカットするのに向いています。
ウォールソー工法は人の手で切断機を動かすよりも精密な作業が可能で、切断面がきれいなこともメリットです。また、振動が粉塵がほとんど発生せず、比較的騒音が小さいという特徴もあります。一方で作業の難易度が高いことから、対応できる作業者が限られていることがデメリットに挙げられます。
ウォールソー工法は耐震工事や改修工事で採用されることが多いです。
ウォータージェット工法
ウォータージェット工法は超高圧水を用いて、圧力でコンクリートを削りとる解体方法です。ウォータージェット工法はコンクリート構造物への影響を抑えられ、鉄筋を傷めないことがメリットに挙げられます。一方で、騒音のレベルが高いことがデメリットに挙げられ、コンクリートをはつる箇所では、電車が通るガード下程度の騒音が発生するといわれています。
ウォータージェット工法は老朽化したコンクリートの撤去や、部分的にコンクリートをはつる際などに用いられています。ただし、騒音によるトラブルが懸念される場所での使用は向いていません。
圧砕工法
圧砕工法とは、ハサミ状の圧砕機でコンクリートをつかんでかみ砕く工法です。圧砕機はショベルカーなどの重機にアタッチメントして取り付けるほか、圧砕機が取り付けられたタイプの重機もあります。
また、圧砕機は大割機と小割機の2種類に分けられます。大割機には巨大な2枚の刃があり、刃の根元のカッターではコンクリート内部の鉄筋を切断する機能もあります。通常、大割機である程度の大きさに砕いた後、小割機で細かく砕きます。
圧砕工法は騒音や振動を抑えられ、鉄筋コンクリートでも効率よく解体できることがメリットです。一方で、ホコリや粉塵が生じやすいことがデメリットに挙げられ、周囲へ飛び散るのを防ぐために養生や散水などを行う必要があります。
圧砕工法は老朽化した鉄筋コンクリートのビルの解体現場などで用いられています。
コンクリートの解体費用を抑えるには
コンクリートの解体費用を抑えるには、3社程度の複数の解体工事業者から見積もりをとって比較します。コンクリートの解体工事の豊富な実績がある業者は、重機や養生シートを保有しているケースがあり、レンタルする業者よりも比較的安い可能性があります。一方で、相場よりも極端に安い会社は、技術力が伴わないリスクがあるため、避けた方が無難です。また、金額だけではなく、担当者の対応なども比較するべきポイントになります。
時期による違いでは、一般的に解体工事業者は11月~3月が繁忙期で、特に2月・3月が忙しいとされています。繁忙期は人件費や重機のレンタル費用が高騰しやすいため、解体工事費用が高く設定されていることがあります。解体工事を急いでいない場合には、時期によって費用に違いがあるかという点も見積もりを依頼する際に相談してみましょう。
コンクリートの解体に関するよくある質問
Q.自力でコンクリートの解体はできる?
コンクリートは固くて重い素材のため扱いが難しく、自力で解体するのは危険が伴うことからも困難です。DIYでのコンクリートの解体はさけ、解体工事業者に依頼するようにしましょう。
Q.土間コンクリートの解体費用はいくら?
土間コンクリートの解体費用は狭い場所でも、最低でも5万円はかかります。最低限の人件費や廃材の処理費用などがかかるためです。
Q.コンクリート2階建ての解体費用はいくら?
鉄筋コンクリート造の建物の解体費用は1坪あたり5万円~8万円が相場です。延床面積50坪のコンクリート2階建ての住宅の解体費用は250万円~400万円が目安となります。ただし、近隣の状況や接道状況などによって異なります。
まとめ
コンクリートの解体には相応の費用が掛かりますが、DIYで壊すのは危険を伴うため、おすすめできません。いくつかの解体工事業者の見積を比較して、信頼できる事業者に依頼しましょう。