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コラム

更地とは?整地との違いや費用、固定資産税、活用例を徹底解説

2023年3月28日

活用されていない状態の土地を所有している場合、土地の維持費用や今後の活用方法についてお悩みの方は多いのではないでしょうか。この記事では、土地を上手く維持・活用するために備えておきたい知識を紹介します。「更地」とは何かという定義から、建物の解体費用の目安や固定資産税を安くする方法、更地を放置した際のリスクや具体的な活用例まで解説していくので、ぜひ参考にしてください。

更地とは

更地(さらち)とは、住宅などの建物が建てられていない、「まっさらの状態」の土地のことです。ただし、土地の上に建物など定着物がない状態であったとしても、「更地」とはいえないケースもあります。

更地の具体的な定義や、混同されやすい「整地(せいち)」との違いについて確認してみましょう。

更地の定義

国土交通省の 『不動産鑑定評価基準(平成26年5月1日一部改正)』によると、更地は「土地の上に建物や建造物が建っておらず、土地の利用を制限する権利も付いていない宅地」と定義されています。

たとえ土地の上に建物や建造物がなくても、他人が所有する土地を使用する権利「地上権」や、賃料を払って建物所有目的で土地を利用する権利「借地権」が付帯しているのであれば、「更地」とはいえません。また、耕作されていない農地や樹木のない山林なども「宅地」ではないため、更地には該当しないことになります。

更地と整地の違い

「整地」も更地と同じく、建物が建てられていない「まっさらな土地」のことを意味します。更地との違いは、「転圧作業を行っているかどうか」という点です。

具体的には、建物の解体後、コンクリートや石、木くずなどを取り除き、重機で踏み固めて整えた状態の土地のことを「整地」といいます。一方、更地とは、このような転圧作業を行っていない状態の土地を指します。

更地にするのにかかる費用

建物が建っている土地を更地にするためには、どのくらいの費用がかかるのでしょうか。一般的な30坪の家を解体する場合の費用相場は、次のとおりです。

構造費用相場(30坪の場合)
木造約90万円
鉄骨造約120万円
鉄筋コンクリート(RC)造約150万円

基本的に、使われている素材が頑丈なほど解体に時間と手間がかかり、解体費用も高くなります。そのため、更地にしやすい木造の方が、鉄骨造や鉄筋コンクリート(RC)造と比べて費用を抑えられる傾向にあります。1坪あたりの平均単価に直すと、木造建築は3万円、鉄骨造は4万円、鉄筋コンクリート(RC)は5万円が相場といえるでしょう。

ただし、

  • 付帯工事の内容(駐車場や庭の解体など)
  • 廃材の量
  • 立地条件(重機が入れるかどうか、など)

といった諸条件によっては、相場よりも費用が高くなることがあります。

更地にかかる固定資産税

更地の所有者には毎年、固定資産税が課税されます。固定資産税の計算方法は、次のとおりです。

固定資産税=課税標準額×1.4%

「課税標準額」とは、税率を直接乗じて税金が計算できる額のことをいいます。更地の場合、「土地の固定資産税評価額に一定率を乗じたもの」となります。

また、更地が都市計画区域内の市街化区域にある場合、都市計画税という税金も課税されます。

都市計画税=課税標準額×0.3%(制限税率※)
※都市計画税の税率は、市区町村によって異なることがあります。

更地にかかる固定資産税を安くするには

更地に課税される固定資産税を安くするには、どうしたらよいのでしょうか。

更地の固定資産税を安くする具体的な方法としては、「更地の上に住宅を建てる」ことが挙げられます。更地に住宅を建てることで住宅用地の特例が適用され、土地に対する固定資産税が安くなるためです。

減額の割合は、土地の広さによって異なります。具体的には、住宅1戸につき200平米までの部分の固定資産税は6分の1に、それを超える部分については3分の1になります。

更地を放置するとどうなる?

もし、更地を放置してしまった場合、どのようなリスクがあるのでしょうか。
主なリスクとしては、「固定資産税が高くなる恐れがある」ことが挙げられます。

更地の上に住宅を建てると住宅用地の特例が適用され、固定資産税を抑えることができます。反対に、更地のままでは特例が適用されないため、住宅が建っている土地に比べて約3倍~4倍の固定資産税がかかってしまうことがあるのです。

ただし、更地よりも固定資産税が安いという理由で空き家を放置すると、「特定空き家」に認定され軽減措置の対象から外れてしまう恐れもあるため注意が必要です。

更地の活用例

更地には、どのような活用方法があるのでしょうか。主な活用例としては、以下が挙げられます。

  • 賃貸アパート・マンション
  • 駐車場
  • コインランドリー
  • トランクルーム

それぞれの活用方法や活用効果について、詳しく見ていきましょう。

賃貸アパート・マンション

更地に賃貸マンションやアパートを建てて貸し出す活用方法です。
アパートやマンションを賃貸することで以下のような節税効果が期待できます。

  • 相続税評価額が安くなる
  • 経営の収支や欠損金が所得税控除の対象になる

また、入居者が集まりやすい物件になれば、長期的に安定した収益を確保することもできます。

駐車場

更地をコインパーキングや月極駐車場にして貸し出す方法です。

例えば月極駐車場であれば、アスファルト舗装をしなくても利益を得られる可能性もあります。初期費用を抑えられるため、気軽に始めやすいことは大きなメリットといえるでしょう。また、ランニングコストや管理の手間もそれほどかかりません。

駐車場経営の収益性は、周辺環境によって大きく左右されます。コインパーキングであれば観光施設や商業施設が周囲にある場合、月極駐車場であれば工場・企業・住宅地などの周辺では、長期的かつ安定した収益を上げやすいでしょう。

コインランドリー

更地にコインランドリー用の建物を建てて、大型洗濯機などの設備を導入し、利用者からの支払いによって収益を得る活用方法です。コンビニなどほかの店舗経営と比べて、狭い土地であっても活用しやすいことがメリットに挙げられます。

コインランドリーの需要が見込める都市部を中心に検討されるケースが多く、一般的な相場としては15%ほどの利回りが得られるといわれています。

トランクルーム

更地に建てたコンテナハウスを収納スペースとして貸し出し、収益を得る活用方法です。狭い土地でも経営しやすいほか、初期費用やランニングコストを抑えられるというメリットがあります。付近にマンションやオフィスビルなどがある場合は、需要を見込みやすいでしょう。

また、更地にコンテナを設置する屋外型の経営であれば、コンテナを撤去するだけで経営を終了できます。トランクルーム経営から別の土地活用方法への転用も、スムーズに行えるでしょう。

まとめ

更地とは、住宅などの建物が建てられていないまっさらの状態であり、土地の利用を制限する権利が付いていない宅地のことです。
更地にも、固定資産税が毎年かかります。更地を放置してしまうと、更地に住宅を建てたときと比べて固定資産税が高くなるリスクがあるため、注意が必要です。

更地の活用方法としては以下のようなものが挙げられます。

  • 賃貸アパート・マンション
  • 駐車場
  • コインランドリー
  • トランクルーム

それぞれ強みが異なるため、土地活用の際は立地条件や面積、予算などを考慮して検討するとよいでしょう。