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コラム

基礎工事にかかる費用相場とは|種類や単価変動の要因についても解説

2023年4月19日

住宅を購入する際、多くの方が間取り・費用を考えますが、基礎工事については分からないことも多いのではないでしょうか。基礎工事は家づくりの土台となる非常に重要な部分であるため、ある程度は、ご自分で見積もりの妥当性を判断できることが望ましいです。

そこで今回は、基礎工事の重要性と種類、費用相場、注意点について解説。基礎工事の見積もりや単価が変動する要因についてもご確認いただけます。

基礎工事とは

基礎工事は、建物の土台を作る工事です。

建物と地盤をつなぐ役目を果たすため、建設における重要な工程で、十分な設計と施工が要求されます。

基礎工事の目的

基礎工事は、建物の安定性や耐久性を確保することが大きな目的です。

具体的には、これによって地震や台風などの自然災害、地盤の弱さ などに耐える強度を獲得することができます。

日本は世界有数の地震大国であるため、基礎工事の重要性は特に高いと言えるでしょう。

基礎工事の工程

基礎工事の工程は以下の通りです。

  1. 地盤調査
    はじめに、建物を建設する土地の地盤の状態を調査。地盤の強度や沈下の可能性などを把握し、基礎工事の種類を決定します。
  2. 遣り方(やりかた)の実施
    建設予定地に、ビニール紐や縄で仮設の囲い(遣り方)を実施します。
  3. 掘削工事
    パワーショベルなどの重機を用いて、地盤を掘り起こします。基礎工事の中で時間がかかる工程です。
  4. 砕石敷き
    地盤を固めて建物の沈み込みを防ぐために、細かく砕かれた石(砕石)を敷きます。
  5. 捨てコンクリートの施工
    スムーズな作業進行のために、捨てコンクリートをその外周部に流し込みます。
  6. 配筋工事
    基礎の強度を獲得するために、鉄筋を格子状に組み合わせる工事を実施します。
  7. コンクリートの打設
    鉄筋の周辺に木の型枠を作り、コンクリートを流し込みます。
  8. 型枠の外し
    ブルーシートで覆い基礎を養生し、数日かけてコンクリートを乾燥させることで、基礎のベースが完成します。

基礎工事の種類

基礎工事には複数の種類があり、どのような建物を建築するか、 どのような地盤の状態かで最適な方法が変わります。 主な基礎工事は、以下の4種類です。

  • 杭基礎
  • ベタ基礎
  • 布基礎
  • 独立基礎

杭基礎

杭基礎とは、鋼管やコンクリートの杭を打ち込み、その上に鉄筋コンクリートを流し込んで基礎を作る工事方法です。

杭を深い位置まで打つことから、地盤が軟弱な場所に適しており、地震の際の液状化を防ぎ、建物を安定させることが期待できます。

なお、杭を打たず、しっかりした地盤に基礎を直接作る工事は「直接基礎」と呼ばれます。

ベタ基礎

ベタ基礎は、直接基礎の1つで、建物の床面積全体にコンクリートの基礎を造る工法です。

耐震性や防湿効果に優れ、地盤の強度が多少低くても採用することが可能です。

型枠の使用量や土の掘削量が少なく、 施工しやすい点も特徴の1つと言えるでしょう。

布基礎

布基礎は、直接基礎の1つで、逆T字型の鉄筋コンクリートを用いて基礎を作る工法です。

具体的には建物の負荷が高い場所(壁・柱など)にコンクリートを打設します。

地盤強度が高い土地で採用される方法で、強度はベタ基礎に劣るものの、地盤に負荷がかかりにくく、鉄筋量は少なく済みます。

独立基礎

独立基礎は、直接基礎の1つで、建物の各柱に対してそれぞれ基礎を設け、地中梁とともに建物を支える工法です。

地盤に負担がかかるため、地盤強度が高い土地で採用されます。

小規模な建物には向いておらず、 実際に一般的な住宅で採用されるケースは少ないです。

基礎工事にかかる費用相場

基礎工事の費用は、新築住宅の工事費用のおよそ5〜10%を占めます。

仮に工事費用1,500万円の木造住宅なら75〜150万円、工事費用3,000万円の鉄筋コンクリート構造住宅なら150〜300万円の基礎工事費用がかかる計算です。

ただし、これはあくまでも目安であり、様々な要因によって基礎工事にかかる実際の費用は変わってきます。

基礎工事の見積もり・単価が変動する要因

基礎工事の費用にはある程度の目安があるものの、 実際には、以下4つのような要因によって見積もり・単価が変動します。

  • 土地・地盤の状態
  • 建築物の違い
  • 立地条件
  • 材料費や人件費

土地・地盤の状態

土地・地盤の状態によって、可能な工法が限られるため、 基礎工事の見積もり・単価が変動します。

仮に地盤が柔らかい場合、比較的高額なベタ基礎を採用するケースも多く、それだけ費用が高くなります。また、地盤改良工事で地盤の強度を高める場合も、追加費用がかかります。

さらに、水はけの悪い土地や傾きのある土地であれば、造成・擁壁が必要となり、 トータルな費用が高額になる可能性が考えられます。

建築物の違い

同じ床面積の建築物でも、使用される建材によっては強固な基礎が必要となり、基礎工事の見積もり・単価が変動します。

具体的には木造住宅よりも、軽量鉄骨や鉄筋コンクリートを使用した家の方が基礎にかかる荷重も大きく、 それに耐えうる土台を作る必要があります。

あくまでも目安ですが、軽量鉄骨や鉄筋コンクリートの基礎工事の費用は、木造住宅の3倍以上となる可能性も考えられます。

なお、使用される建材は同じでも「平屋か、2階建て以上か」によっても費用は変動します。

立地条件

施工現場の立地条件は、車や資材の搬入に影響するため、 基礎工事の見積もり・単価に影響を与えます。

例えば、施工現場の道路が狭く、 近くに駐車スペースなどが確保できない場合、資材搬入のトラックを小型にしたり、 ポンプ車やミキサー車を乗り入れずに作業しなければならない可能性があり、人件費・機材費が増えるケースが考えられます。

また、海岸や河川の近くなど、水害が起こりやすい場所では、基礎工事にかかる費用が高くなる傾向があります。

材料費や人件費

コンクリートや鉄筋などの材料費は、市場の需給バランスや資源価格の変動、輸送費用などによって変化します。

特にコンクリートについては、仕入れるエリアによっても価格が変動します。

さらに近年では国際情勢などの影響で建築資材の高騰傾向が見られ、 これも基礎工事の見積もり・単価に影響すると考えられます。

また人件費については、依頼する時期やエリアによって価格が変動します。

例えば、建設需要が集中している時期は、作業員や技術者が不足するため、人件費上昇の可能性があるでしょう。

近年では、少子高齢化による職人の高齢化や人手不足などの問題もあり、これも基礎工事の見積もり・単価に影響を与える要因と言えるでしょう。

基礎工事の注意点

最後に、基礎工事の費用に関する注意点をチェックしておきましょう。

  • 費用を安くすることのみを重視しない
    基礎工事は、基本的に後でやり直すことができない工事です。建物の耐震性・耐久性に直結するため、無理に費用を安くすることはおすすめできません。もしも、相場と比較して安すぎる見積もりが出された場合は、品質や保証に問題がある可能性を疑いましょう。
  • 信頼できる業者を選ぶ
    基礎工事は建物の安全に関わるため、信頼できる業者を選ぶことが重要です。優良団体の加盟・公的認証の取得・施工実績・口コミ・評判などを総合して、信頼できる業者であるかを確認しましょう。
  • 複数の見積もりを取り、詳細を確認する
    同じ条件で複数の業者に見積もりを依頼する方法は、優良業者探しに有効です。作業や材料ごとに細かく適正な価格を提示していれば、しっかりとした業者であることが期待できます。見積もりと併せて、担当者と話した際の印象も考慮して、依頼する業者を決定しましょう。

まとめ

基礎工事の目的は、建物や構造物を支えるための土台となる基礎を作ることです。基礎工事には複数の種類があり、建物の種類・用途、土地の状態などによって適した方法が異なります。

基礎工事の費用相場は、地盤調査や基礎の種類、規模、施工期間などによって異なりますが、新築住宅の場合、一般的には建物の総工費の5〜10%程度と言われています。

基礎工事を行う際の注意点としては、法令遵守、品質管理、安全管理などが挙げられます。また、工事期間中の騒音や振動による周辺住民の迷惑を最小限にするため、周辺住民への配慮も必要です。

実際の見積もりは、様々な要因が組み合わさって決定されますが、値段だけでなく、安心して工事を任せられる「信頼できる業者」を選ぶようにしてください。