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コラム

スケルトン工事とは|内装解体との違いや費用相場について解説

2023年4月19日

スケルトン工事は、建物の解体工事の種類の1つです。中古の住宅やマンションを生まれ変わらせる、リフォームの方法として近年注目を浴びていますが、 具体的にどのような利点・ 注意点があるのでしょうか。

今回は、スケルトン工事を検討している方を対象に、スケルトン工事の概要、メリット・デメリット、工事の流れ、費用相場などをご紹介。 さらに、工事を依頼する際の業者選びのポイントも解説します。

スケルトン工事とは

スケルトン工事とは、建物や店舗などの内部空間の骨組みにあたる「基本的な構造物」だけを残す工事です。

具体的には、内装を全て取り払い、柱・梁・壁・床・天井など、建物の骨格となる部分だけを残します。

スケルトン工事は「スケルトン解体」「スケルトン・リフォーム」などと呼ばれることもありますが、おおむね同じ意味合いです。

スケルトン工事と内装解体の違い

スケルトン工事と内装解体は「建物を解体する範囲」に違いがあります。

スケルトン工事が、 内装の全てを取り払い建物の骨格だけを残すのに対して、内装解体では床・壁や天井の下地・水道配管・電気配線などは残します。

内装解体と比較して、 スケルトン工事の方が作業内容が多いため、 費用も高くなると考えられます。

スケルトン工事のメリット・デメリット

スケルトン工事には多くのメリットがある反面、 知っておくべきデメリットも存在します。ここからは借主 ・貸主それぞれの視点も踏まえ、スケルトン工事のメリット・デメリットを見ていきましょう。

  • スケルトン工事のメリット
  • スケルトン工事のデメリット

スケルトン工事のメリット

スケルトン工事には、以下のようなメリットがあります。

  • 自由度の高いリフォームができる
    スケルトンリフォームは、建物の基盤部分を残しつつ、全体を一新するため、間取りも自由に変更できます。たとえば、複数の部屋を1つにまとめることもでき、逆に、1つの部屋を複数の小さな部屋に区切ることもできます。
  • 配管の刷新や設備の追加ができる
    スケルトンリフォームでは、配管の交換や修理など、目に見えない部分も改修できます。また、最新の機能・設備を追加することで、断熱性や耐震性などを強化することができます。
  • 現在の建物の専有面積を保ってリフォームできる
    築年数が古い戸建て住宅などでは、現行の建築基準法に準拠していない場合があり、建て直すと面積が狭くなってしまうことがあります。スケルトンリフォームは、古い家屋を撤去せず、現在の建物の面積を保ったまま、リノベーションできます。
  • 建て替え・新築と比較してコストが低い
    スケルトンリフォームは、内装・外装ともにほぼ新築同様の状態にすることができ、新築や建て替えに比べると、コストを抑えることが期待できます。スケルトン物件の貸主であれば、リフォーム費用は借主負担となるため、その分のコストを抑えることが可能です。

スケルトン工事のデメリット

  • ある程度のコストと時間がかかる
    新築物件と比べると、コストは抑えられますが、部分リフォームに比べると、スケルトン工事の費用は高めです。また、スケルトン工事でリフォームする場合、大規模な工事では、工期が数ヶ月に及びます。
  • 工事中は引っ越しが必要になる
    工事期間中はトイレなども使えなくなるため、一時的な引っ越しが必要となります。施工会社によっては、引っ越しや仮住まいの手配を代行してくれるケースがありますので、事前に相談・確認しておきましょう。
  • スケルトン工事できないケースもある
    スケルトン工事は全て自由にリフォーム・リノベーションできるわけでなく、賃貸契約内容・規約などによっては、リフォームの範囲や使用可能な素材が制限されることがあります。また、建物の構造上の問題で、希望通りの工事ができないケースが考えられます。例えば、壁式構造で建てられたマンションでは、間仕切り壁などの一部の壁以外は、建物の安全性に関わるため手を加えることができない場合もあります。
  • リセールバリューが低くなる可能性がある
    スケルトンリフォームは、個性的な住まいも実現できますが、一般的なデザイン・間取りからあまりにかけ離れると、売却する際に不利になる可能性があります。

スケルトン工事の流れ

スケルトン工事の流れは以下の通りです。

  1. 施工会社選び
    工事を手掛ける施工会社の候補を何社か選定します。単に解体するだけなのか、解体後のリフォームも任せるのかによっても選定方法は変わります。例えば、バリアフリー化を希望する場合は、バリアフリー工事の実績が豊富な施工会社を中心に検討するなど、工事の目的を明確化しておきましょう。
  2. ヒアリング・見積もり
    施工会社から、要望のヒアリングや具体的な施工プランの提案を受けます。この段階では、複数の施工会社とやりとりし、相見積もりを取ることもできます。提案されたプラン内容や条件を比較し、施工会社を決定しましょう。見積もり内容・予算に納得できれば、契約を締結します。
  3. 契約締結・着工前の打ち合わせ
    本格的な着工の準備が開始され、住まいの図面の作成などが行われます。また、着工前の打ち合わせでは、工事のスケジュールと手順の確認が行われます。ビルのテナントやマンションの住戸の場合、トラブルを防止しスムーズに工事を進めるため、隣り合う店舗や住戸にも挨拶をしておくことが良いでしょう。
  4. スケルトン解体工事
    打ち合わせが終了すると、実際の作業が始まります。作業後は、廃材処理・現場清掃が実施されます。工事が進む中で、中間確認などで何度か現場を訪れることがあります。
  5. 引き渡し
    現場を確認し、施主と貸主が出来上がりを確認した後、問題がなければ引き渡されます。

スケルトン工事費用の相場

スケルトン工事の費用は、主に以下2つの相場から推察することができます。

  • 建物の違いによる工事費用の相場
  • 建物の延床面積による坪単価費用の相場

以下、それぞれの相場について詳しくご紹介します。

建物の違いによる工事費用の相場

スケルトン工事の費用は、建物の違いによって異なります。以下は建物タイプごとのスケルトン工事の坪単価費用の相場です。

  • 一般住宅:およそ15,000円〜45,000円
  • アパート:およそ13,000円〜39,000円
  • マンション:およそ13,500円〜40,000円

なお、飲食店や美容院など、撤去する設備・内装材が多い場合は、廃棄物処理の分別に要する時間が加算され、費用が高くなる可能性があります。

また、解体する内装・設備の種類や数・構造の複雑さも、工事費用に影響し、これらの要素に応じて工事費用が高くなる傾向です。

建物の延床面積による坪単価費用の相場

スケルトン工事の費用は、建物の延べ床面積によっても変わります。

具体的には、床面積が広い建物ほど、 広さに比例して費用が高くなります。

なお、スケルトン工事の費用は、一般的に坪単価で算出されます。

例えば、50坪のマンションの場合、単純計算で68〜200万円程度のスケルトン工事費用がかかると考えられます。

スケルトン工事を依頼する業者選びのポイント

スケルトン工事を依頼する際には、以下のポイントを考慮することが重要です。

  • スケルトン工事の実績を確認する
    どのような物件の工事を多く手がけているのか、口コミ・評判はどうか、などを事前に確認しておきましょう。スケルトン工事に慣れており実績のある業者は、作業員のマナーや近隣への対応がよく、不用なトラブルを避けることも期待できます。
  • 建設許可や産業収集運搬の許可をチェックする
    スケルトン工事は廃棄物が多く出るため、産業廃棄物の処理がしっかり行える正規業者を選ぶことが大切です。許可のない業者、
    相場よりも大幅に安い業者などは、不法投棄をする危険性もあります。
  • 見積書が分かりやすく、工事内容を丁寧に説明してくれる
    見積書は細やかで明確に記載されていることが望ましいです。また、見積もりの不明点に対して、分かりやすく丁寧に答えてくれる業者は、信頼できる可能性も高いでしょう。
  • 工事以外に対応できる業務はあるか調べておく
    解体のみを手掛けるのか、 内装工事まで一括で対応できるのか、
    産業廃棄物の処理・運搬も可能かなどは業者ごとに異なります。ご自身が希望する業務に対応するかを事前に確認してから、候補業者を選定するようにしましょう。

まとめ

スケルトン工事では、 建物の基本的な構造だけを残します。

現在の建物の専有面積を生かし、大胆にリフォームすることが可能となりますが、 工事にはある程度の時間がかかり、さらに工期中には引っ越しが必要となる可能性も高いです。

このようなことを見越して、早めに必要な準備を進めてください。

スケルトン工事は、建物の構造に関わる工事のため、高い品質と安心が期待できる業者を選びましょう。