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コラム

解体工事の工期の目安とは|解体期間日数が長引く原因と対処法も解説

2023年4月19日

解体工事を依頼する際、気になる「工期(解体にかかる期間)」。工期の目安がわからないと、建て替えや売却などに響くため、スケジュールも立てづらくなります。

そこで今回は、解体工事にかかる日数について、建物の構造・面積ごとの目安を解説。解体工事の基本的な工程、工期が長引く原因、遅れが出ないようにするためのポイントもご確認いただけます。

解体工事にかかる日数とは

解体工事にかかる日数は、建物の構造・面積によって変わります。

  • 建物の構造による工期の目安
  • 建物の面積による工期の目安

はじめに建物の構造・面積ごとの工期の目安を確認しましょう。

建物の構造による工期の目安

建物は、一戸建てよりもビル・マンションのように堅牢な構造であるほど、解体に時間がかかり工期が長引きます。建物の構造の違いによる工期の目安は以下の通りです。

構造工期目安
木造一戸建て3~10日
鉄骨造家屋10~20日
ビル(鉄筋コンクリート)半月〜1か月以上
ビル(鉄筋・鉄骨コンクリート)1ヶ月〜2ヶ月半以上

建物の面積による工期の目安

建物の面積も、工期に大きな影響を与えます。建物の構造が同じ場合、 通常は面積に比例して、以下のように工期も長くなります。

建物構造面積工期目安
木造2階建て約30坪1週間~10日程度
木造2階建て約80坪2週間~20日程度
鉄骨2階建て約30坪半月前後
鉄骨2階建て約80坪20日~1ヶ月程度
鉄筋コンクリート2階建て約30坪2週間~20日程度
鉄筋コンクリート2階建て約50坪20日~40日程度

解体工事の工程

解体工事の一般的な工程は以下の通りです。

  1.       解体業者の選定・契約
    最初に、解体業者を選びます。おおよそ1週間程度で現場確認が行われ、その後、見積書が提出されます。なお、解体工事を行う際には、建築リサイクル法により、延床面積が80㎡以上の建物は、工事スタートの1週間前までに役所への届け出が必要です。つまり届け出から1週間は工事がスタートできないためご注意ください。
    諸事情によって工期が延びる可能性があるため、契約内容や可能なスケジュールを確認しつつ、できるだけ早く業者を選定・契約するようにしてください。
  2.       計画と準備
    解体工事の準備として、解体計画や作業方法の検討、解体・建設リサイクル法・道路使用許可などの各種申請と手続き、解体現場の立ち入り禁止の設置、ライフライン(水道・ガス・電気など)の停止・解約、近隣住民への挨拶なども必要です。
  3.       建物の解体・基礎の掘り起こし
    仮設足場を設置し、建物を養生シートで覆ったら解体工事のスタートです。屋根瓦ほか、必要に応じてブロック塀や木を実施し、さらに建物内部の解体・撤去を実施します。その後、重機を用いて建物本体を解体し、建物を支える基礎部分を撤去します。
  4.       解体跡地の清掃
    解体が完了したら、現場の清掃を行います。解体によって出た廃棄物は、適切に分別し処理されます。また、作業終了後の近隣住民への挨拶も重要です。

解体工事が長引く原因

解体工事にかかる日数はすでにご紹介しましたが、 実際は工期が長引くケースもあります。解体工事が長引く主な原因は、以下の通りです。

  • 建物の大きさ
  • 建物の立地条件
  • 天候・自然災害
  • 地中埋設物
  • 近隣トラブル

建物の大きさ

解体工事において、建物や構造物の面積が大きいと、作業量が増え、工期が長引くことがあります。

例えば、200㎡以上の面積の建物の解体では、30日以上の工期がかかる可能性があります。

一方、建物の面積が小さすぎてトラックや重機が入らない場合も、手作業となるため、工期が長引くことが予想されます。

建物の立地条件

解体工事を行う建物が、人通りが多い繁華街や住宅街に立地している場合、周囲の住民や店舗の営業に影響を与えないよう、作業時間を制限したり、 重機を使わず手作業で工事を進めなければならないケースがあります。

また、道路や建物同士の距離が狭い、いわゆる「狭隘地(きょうあいち)」の場合、車両の進入や解体材料の運搬・撤去が困難となり、作業が長引くことがあります。

天候・自然災害

解体工事の作業現場は、屋外で行われることが多く、天候や自然災害によって作業が妨げられることがあります。

例えば、雨や雪が降ると、作業現場が滑りやすくなり、除雪作業が必要となるケースがあり、作業が中断されることがあります。

また、台風や地震などの自然災害が発生した場合は、作業現場の安全を確保するために、作業が中断されることがあります。

地中埋設物

解体工事を行う建物が、地中に埋設されているパイプラインやケーブルなどの設備と重なったり、瓦やコンクリート、ゴミなどが埋まっている場合、解体作業に支障をきたすことがあります。

また、解体材料を処理する際に、地下に埋設された汚染物質などの除去作業が必要な場合、作業が長引くことがあります。

近隣トラブル

住宅街・商店街に近い場合は、騒音や振動を抑えるために作業時間や方法の調整が必要です。

このように周囲の環境に合わせた配慮によって、作業が長引くことがあります。

また、実際に近隣トラブルやクレームが発生した場合、 その解決まで工事がストップする可能性も考えられます。

解体工事の遅れが出ないようにするためのポイント

解体工事の遅れが出ないようにするためには、以下のようなポイントに注意する必要しましょう。

  • 余裕を持ったスケジュール設定をする
    解体工事を行う前に、現地調査を実施し、作業に必要な情報を収集することが重要です。特に、解体対象物の構造や建物内部の仕様、周囲の環境など、現地で確認することが必要です。
  • あらかじめ不用品を処分する
    不用品の処分が工事期間に含まれると、それだけ工期が長引きます。あらかじめ不用品回収業者などに引き取ってもらうと、工期が遅れるリスクを少なくすることができます。
  • 悪天候が少ない時期を選ぶ
    解体工事は、天候や気象条件によって作業が妨げられることがあります。そのため、事前に天候や気象条件を確認し、作業計画を立てることが必要です。地域によって異なりますが、6〜7月前半は梅雨、8〜10月の台風、12月~2月は降雪などが予想されるため、これらの時期は避けると良いでしょう。
  • 近隣への配慮
    近隣トラブルは後期を遅らせる原因となります。解体工事による騒音や振動、排煙などが周囲に与える影響を最小限にするために、事前に周囲の住民や関係者との円滑なコミュニケーションを図ることが大切です。

悪質な場合には損害賠償請求を検討する

契約した解体工事の期間を大幅に超過し、作業遅延が発生した場合、解体工事業者へ遅延の原因・責任を問うことができます。この他、以下のようなケースでは、契約書や法律に基づいて損害賠償請求を行うことができる可能性があります。

  • 近隣トラブルを無視して放置した場合
  • 必要な建設業許可や解体工事業登録を取得していないことが判明した場合
  • 現場に日本語を話せない外国人スタッフしかおらず、必要な場合に相談できるスタッフが不在である場合

なお民法には、請負人・注文人のいずれかが債務を期限内に履行しない場合、相手方は契約解除できる旨の規定があります。解体工事の期間が著しく延期された場合も、債務不履行を理由に契約解除が可能です。

まとめ

解体工事には、解体対象物の大きさや形状、建物の立地条件、解体方法によって工期が異なります。

スムーズに工事を進めるためには、余裕を持ったスケジュールを組み、悪天候が少ない時期を選ぶことも有効です。

さらに、周辺環境への影響や近隣住民への配慮なども重要となります。

なお、業者側の原因で工期が著しく延びた場合は、損害賠償請求や契約解除が可能です。ただし、このような事態に陥ると、新たな業者を選び直す必要が生じ、工事期間も長引きます。

そのため、はじめから、信頼できる誠実な業者を選ぶようにしてください。