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コラム

オフィスの内装工事の費用相場は?流れや施工事例をわかりやすく解説

2023年9月6日

オフィスの新設や移転による入居時のほか、レイアウト変更のときなどに内装工事が行われますが、具体的にはどのような工事が必要となるのでしょうか。オフィス環境は作業効率や従業員のモチベーションに大きく影響します。

オフィスの内装工事の種類や費用相場に触れたうえで、内装工事を依頼するときの流れなどについて紹介していきます。

オフィスの内装工事とは?

オフィスの内装工事とは、主にテナントとしてオフィスを借りた場合に入居時や退去時に必要な工事です。オフィスの内装工事には以下の種類があります。

  • 建築工事
  • 電気工事
  • 空調・衛生工事
  • 防災工事
  • 防犯工事
  • 電話・LAN工事

建築工事には、壁工事や天井工事、床工事などがあります。電気工事は、照明器具や電源コンセントの設置工事、電気配線工事などです。空調・衛生工事には、業務用エアコンなどを設置する空調工事と給排水や給湯などに関わる衛生工事があります。防災工事は、熱感知器や煙感知器といった自動火災報知設備などの設置工事です。防犯工事は防犯カメラやパスワードロックの設置など、機密情報を守るための工事です。電話・LAN工事は、電話線の配線工事やインターネット環境を整備するためのLANケーブルの配線工事などが該当します。

建築工事

建築工事とは、建物を建てるための新築工事や増築工事、改築工事を指しますが、オフィスの内装工事では床や天井、壁など内装に関わる工事を指すのが一般的です。

種類概要工事の場所
壁工事間仕切りなどの造作壁の設置工事、壁クロス工事、壁塗装工事など。テナント内(壁、他)

パーティション工事設置型、または施工型パーティションによる間仕切りの設置工事。テナント内

床工事OAフロア工事、床カーペット工事、床フローリング工事など。テナント内(床)

天井工事システム天井設置工事、天井ボード工事、天井スケルトン工事、天井クロス工事、天井塗装工事など。テナント内(天井)

造作内装工事造作家具工事。テナント内
原状回復工事退去前に入居時の状態に直す工事。増設した壁などの解体工事や天井工事、床工事、電気工事、空調衛生工事などのほか、クリーニングが含まれます。テナント内全体・外部(看板を設置している場合)
サイン工事看板・案内表示板などの製作・設置工事。エントランス・外壁

壁工事には間仕切り壁を造作壁として新設する工事のほか、クロスあるいは塗装による仕上げ工事があります。間仕切り壁は、パーティション工事によって設置することも可能です。床工事のうちOAフロア工事は、床を二重床にして電話線やLANケーブル、電源ケーブルを配線する空間を設ける工事で、オフィスではタイルカーペット仕上げとすることが多いです。天井工事には、下地材を組み立てたフレームに仕上げ材や空調、照明器具などをはめ込むシステム天井の設置工事や、コンクリートの躯体現しのスケルトン天井にするための工事、クロスあるいは塗装による仕上げ工事があります。造作内装工事は、収納や意匠のための造作家具工事などです。

このほかには、退去時に入居前の状態に戻す原状回復工事や、看板などを設置するサイン工事があります。

電気工事

電気工事には、電気配線工事や電源コンセント設置工事、スイッチ設置工事、照明器具の設置工事などがあります。

たとえば、オフィスのレイアウトを変更したり、会議室などを設けたりする場合には、電気配線の新設・変更、電源コンセントやスイッチの設置、照明器具が必要になることがあります。また、従業員が増加してOAタップが足りなくなったときには、電源コンセントの追加工事を行います。

空調・衛生工事

空調・衛生工事は専有部分の中でも、建物自体に影響を及ぼすことから、オーナーの指定工事会社でテナントが費用を負担するB工事に該当することがあります。

空調・衛生工事は、温度や湿度、気流などをコントロールする空調設備工事と、トイレや給湯室などで使う給排水や給湯設備に関わる衛生工事に分けられます。たとえば、オフィスの業務用エアコンの設置工事は、空調・衛生工事に含まれます。

防災工事

防災工事は、災害の発生時に火災の感知や避難誘導を行うための自動火災報知設備や非常放送設備、誘導灯設備といった消防用設備の設置工事です。自動火災報知設備には、煙感知器や熱感知器などがあります。

消防法では建物の規模や用途によって、消防用設備の設置と定期点検が義務付けられているため、消防署や自治体の建築指導課へ相談するなど、事前の確認が必要です。また、防災工事もB工事に該当することがあります。

防犯工事

防犯工事とは、機密情報や顧客情報の漏洩などを防ぐために、防犯カメラやパスワードロック、入退館管理システム、受付システムなどを設置する工事です。部外者の出入りを制限する目的では、オフィスの出入り口の入退館管理以外にも、サーバールームなど社内で入室を制限するエリアを設けるために、パスワードロックなどを設置するケースがあります。

電話・LAN工事

電話・LAN工事とは、オフィスのレイアウトに合わせて電話線やインターネット回線のためのLANケーブルの配線を行う工事です。OAフロアの場合は、床下に電話線やLANケーブルの配線を行います。オフィスでPCや各種ネットワーク機器でインターネットを利用するためには、有線LANの配線やWi-Fi機器の設置が必要です。

オフィスの内装工事の費用相場

一般的にオフィス全体を改装する場合の内装工事の費用は、1坪あたり10万円~30万円が相場とされています。ただし、立地や規模、物件の状態、使用する素材のグレードなどによって異なります。

また、スケルトン物件は居抜き物件よりも割高になります。居抜き物件は原状回復工事を行っていない物件で、床や壁、照明器具、空調設備、消防設備などが残されていて、そのまま利用できる箇所があることが多いです。一方、スケルトン物件は壁や床、天井などの内装や照明器具、空調設備などが撤去され、骨組みの状態になっていることから、一から工事を行うことになります。

受付やリフレッシュスペースの設置、執務スペースの改装など、オフィスを部分的に改装する場合には、全体を改装する場合よりも、費用がやや割高になることが一般的です。

オフィスの内装工事の流れ

オフィスの内装工事を業者に依頼するときには、一般的に以下の流れとなります。

  1. 内装の目的を決める
  2. 業者を選定する
  3. 業者との打ち合わせ
  4. 内装工事
  5. 引き渡し

1.内装の目的を決める

オフィスの内装工事を業者に依頼する前に、工事を行う目的やコンセプトを決めます。まずは現状のオフィスに対する不満や移転する理由などを挙げていき、オフィスの課題を洗い出していきます。そして、課題をもとにどういったオフィスにしていくのか、内装工事を実施する目的を明確にし、具体的な方向性となるコンセプトを打ち出します。

たとえば、「オン・オフのメリハリのあるくつろげるオフィスにする」という目的を達成するため、「カフェのようなオフィス」といったコンセプトを決めます。

2.業者を選定する

オフィスの内装工事の目的やコンセプトを決めたら、依頼先となる業者を選定します。オフィス内装工事に関わる業者は、オフィスのデザイン専門業者、内装工事専門業者、デザインから内装工事までをワンストップで担う業者に分けられます。見積だけではなく、デザイン性をどの程度重視するのか、コンセプトを実現できるのか、予算の範囲内でトータル費用が収まるのかといった点を踏まえて、依頼先を決定しましょう。

3.業者との打ち合わせ

依頼先を決定した後、オフィスのデザインを依頼する業者に内装工事の目的やコンセプトを伝えて、オフィスのデザインやレイアウトの打ち合わせを行います。レイアウトや設計、仕様が決まるまで、業者と打ち合わせを繰り返して行い、プランを固めていきます。オフィスの設計図や仕様書が完成したら、見積もりを依頼し、費用が予算内に収まらない場合にはプランを調整します。

4.内装工事

オフィスの設計図が確定した後、工事を依頼する業者と工事請負契約を締結します。また、入居中にオフィスを部分的に改装する場合は、通常業務に支障はないか工事範囲などの確認を行い、必要に応じて工事日を調整します。

予期せぬトラブルに見舞われて、入居スケージュールに影響するのを防ぐため、余裕をもってスケージュールを組んでおくことが大切です。工事中は予定していたスケージュール通りに工事が進んでいるか、進捗を確認します。

5.引き渡し

工事が完了した後は発注者として業者の立ち会いのもと、施主検査を行い、図面通りに工事が完了しているか、仕上がりに問題ないかといった点を確認します。検査の結果、問題がなければ引き渡しとなります。

オフィスの内装工事を依頼する業者選びのポイント

オフィスの内装工事を依頼する業者選びでは、以下の点がポイントとなります。

  • オフィスの内装工事の豊富な実績がある
    オフィスの内装工事の豊富な実績がある業者であれば、デザインや工事に関するノウハウはもとより、法規制などに関する専門的な知識を持っていると考えられます。オーナーや不動産会社とやり取りを含め、スムーズに工事が進行していくことが期待できます。
  • デザインから工事までワンストップで依頼できる
    デザインと工事を別の業者に依頼すると、やり取りの手間が増えるほか、予算のコントロールも必要です。窓口を一つに絞ることで、自社の担当者の業務負担が軽減できます。

オフィスの内装工事の施工事例

多様な働き方に対応できるオフィスにするため、内装工事を行ったIT企業の事例です。執務スペースにはフリーアドレス式で複数人で仕様する大型デスクと、作業に集中できる個室ブースを設け、従業員が好きな場所で仕事をできる形をとりました。また、リラックススペースであり、自然に集まってコミュニケーションが生まれる場所として、カウンターキッチンやソファを設けています。オン・オフのメリハリをつけながら、従業員が交流を図れるオフィス空間を実現しました。

まとめ

オフィスの内装工事では建築工事をはじめ、電気工事や電話・LAN工事、防犯工事など様々な種類の工事が行われます。理想のオフィスを実現するには、目的やコンセプトを明確にしたうえで、業者選びが重要となります。オフィスの新設・移転などで内装工事を行う場合には、早めに専門業者に相談しましょう。