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コラム

オフィスレイアウトの基準寸法とは?パターンをわかりやすく解説

2023年9月6日

オフィスレイアウトは働きやすさだけではなく、作業効率にも関わります。社内をスムーズに移動するには基準寸法を確保することが重要です。また、業務によるオフィスのレイアウトパターンによる向き・不向きもあります。

今回は最適なオフィスレイアウトを実現するため、基準寸法やオフィスレイアウトのパターンについて紹介していきます。

オフィスレイアウトの基準寸法とは?

オフィスレイアウトの基準寸法とは、働きやすく快適なオフィス空間をつくるために基準となる寸法です。たとえば、適正な通路幅が確保されていなければ通りにくく、業務効率の低下を招くことから、機能的なオフィスとはいえません。また、火災や地震などが発生した際に、安全に避難を進められないリスクが生じます。

快適なオフィス環境を構築するには、デスクの幅、デスクの周囲、通路幅などが、基準寸法が確保されていることが必要です。

1人あたりのデスクの基準寸法

1人あたりのデスクの基準寸法は幅120cm×奥行70cmです。デスクトップパソコンや大型のノートパソコンを置いて、紙の資料を広げながら作業ができる広さを確保できます。

ただし、小型のノートパソコンによるPCでの作業が中心のケースや営業職など外回りが中心のケースでは、ややコンパクトですが、幅100㎝×奥行60cm・65cmのデスクとする選択肢もあります。デスクをコンパクトにすることで、オフィス空間にゆとりが生まれます。

また、デスクの後ろには椅子の可動域として、75cm~90cmのスペースが必要です。

通路幅の基準寸法

オフィス内をスムーズに移動するには、通行する人数や頻度によって、一定以上の通路幅の確保が必要です。

通路幅基準寸法
1人が通行する場合60cm
2人がすれ違う場合120cm
複数人が行き交うメインの通路160cm

1人が通行する場合の通路幅は60cm以上必要ですが、すれ違うことはできない寸法です。2人以上がすれ違う場合は120cm以上、複数人が通るメインの通路は160cm上を確保します。

また、オフィスをパーティションなどの壁で仕切って部屋を設けることもありますが、建築基準法施行令第119条で床面積200㎡(地下は100㎡)を超える場合には、廊下の幅に規定が設けられています。片側に部屋を設ける場合は120cm以上、両側に部屋を設ける場合は通路幅160cm以上の幅の廊下が必要です。

デスクと壁・収納庫・コピー機の通路幅の基準寸法

デスクと壁や収納庫、コピー機の通路幅の基準寸法は、通路幅のほか作業スペースを考慮します。デスクの後ろに設置する場合には着座スペース50cm、あるいは椅子の可動域75cm~90cmの確保も必要です。

デスクの横に設置する場合

デスクの横に壁がある場合やデスクの横に収納庫、コピー機を設置する場合は、通路幅やの作業スペースを考慮します。

通路幅基準寸法
デスクと壁の場合120cm
デスクと収納庫の場合135cm
デスクとコピー機の場合110cm

デスクと横の壁の間は通路幅として、120cm以上を確保します。デスクの横に収納庫を設置する場合には、扉の開閉や出し入れのための作業スペースと横向きで人が通るスペースを考慮して、140cm以上のスペースが必要です。デスクの横にコピー機を設置する場合には、作業スペースや通路スペースとして110cm以上を確保します。

デスクの後ろに設置する場合

デスクの横に後ろに壁がある場合やデスクの後ろに収納庫、コピー機を設置する場合は、通路幅や作業スペースに加えて、着座スペースを考慮する必要があります。

通路幅基準寸法
デスクと壁の場合140cm
デスクと収納庫の場合150cm
デスクとコピー機の場合140cm

デスクと後ろの壁の間は通路スペースや着座スペースとして、140cm以上を確保します。ただし、通路として利用しない場合には、90cm以上のスペースで十分です。

デスクの後ろに収納庫を設置する場合には、着座スペースと扉の開閉や出し入れのための作業スペースなどとして150cm以上が必要です。デスクの後ろにコピー機を設置する場合には、着座スペースと作業スペース、横向きで通行するためのスペースとして、140cm以上を確保します。

適切なオフィスレイアウトがもたらす効果

適切なオフィスレイアウトがもたらす効果として、主に次の2点が挙げられます。

  • 業務の効率化
  • 社内コミュニケーションの活性化

業務の効率化

適切なオフィスレイアウトはオフィス内の移動のしやすさから、作業性の向上による業務効率化につながります。

たとえば、オフィス内に適切な通路幅が確保されてなく、通行するときに近くの席の椅子を動かす必要があったり、収納庫に入っている書類が近くの席の人しかとれなかったりするようでは、円滑に業務を進めにくい状況です。これに対して基準寸法が確保されていると、オフィス内をスムーズに移動しやすいほか、他の人の作業を妨げることなく、収納庫やコピー機などを利用できます。

社内コミュニケーションの活性化

社員同士が雑談したり、気軽に相談し合ったりするなど、部署内や社内全体のミュニケーションが活性化すると、社内の人間関係が良好になり、スムーズに業務が進行することが期待できます。

社員同士のデスクが離れすぎたレイアウトでは、雑談などがしにくい環境です。また、関連する業務を担う社員の席が離れていると、連携して業務を進めにくい状況になります。適切なオフィスレイアウトによって自然なコミュニケーションが生まれると、社内コミュニケーションの活性化につながっていきます。

オフィスレイアウトのパターン

オフィスのデスクにはレイアウトのパターンがあり、コミュニケーションの取りやすさや集中のしやすさなどに違いがあります。オフィスでよくあるレイアウトパターンについて、それぞれの特徴とメリット・デメリットを紹介していきます。

対向型(島型)レイアウト

対向型(島型)レイアウトとは、部署ごとにデスクを向い合せに配置するパターンです

対向型(島型)レイアウトはスペースを効率よく使いやすく、従来から多くの職場で採用されてきました。部署、あるいはチーム単位で業務を進めていく業態や組織に向いています。

対向型(島型)レイアウトは部署内でコミュニケーションをとりやすく、業務の進捗確認などをしやすい点がメリット。オフィス内で部署ごとの配置もわかりやすいです。一方で、他部署と垣根が生じやすく、コミュニケーションがとりにくい点がデメリットです。対面の席からの視線が気になると、集中しにくい場合もあります。

同向式レイアウト

同向式レイアウトとは、デスクを一方向に向けて配置するパターンです。

同向式レイアウトは、デスクに座る社員が同じ方向を見て作業を行うのが特徴です。銀行などの窓口対応のある業務やコールセンターなどで採用されています。

同向式レイアウトは、来客に対して対面になるため、訪問者に気づいて速やかに対応できることがメリットです。また、社員同士の視線が合わないため、業務に集中しやすく、プライバシーや機密情報を守りやすいです。一方で、コミュニケーションがとりにくいことや、多くの通路を必要とするため、スペースを効率よく使いにくいことがデメリットになります。

背面式レイアウト

背面式レイアウトとは、チームごとにデスクを背中合わせにして配置するパターンです。

背面式レイアウトは背中を向けて作業をしますが、振り向けば向き合わせになってコミュニケーションをとれるのが特徴です。背中合わせになったチームごとにローパーティションで仕切ると、プライバシーを守れます。また、背中合わせにデスクを配置した間にテーブルを置いておくと、簡単なミーティングを実施しやすくなります。

背面式レイアウトは、WEB制作に関わるディレクター、エンジニア、デザイナーといったチームでプロジェクトを進めていく業務に向いています。

背面式レイアウトは集中しやすく、一方でチーム内でのコミュニケーションもとりやすいことがメリットです。ただし、チーム以外とのコミュニケーションがとりにくいことがデメリットといえます。

ブース型レイアウト

ブース型レイアウトとは、一人ずつデスクをパーティションやパネルで仕切るパターンです。

ブース型レイアウトは独立性が高く、個別の作業空間ができるのが特徴です。デザイナーやシステムエンジニア、プログラマー、あるいは設計士といった集中力が求められ、一人で作業に取り組む時間が多いクリエイティブ職種に向いています。また、一人ひとりのプライバシーが確保されることから、機密情報を扱う業務に向いたレイアウトでもあります。

ブース型レイアウトは周囲の情報から遮断された環境で、集中して業務に取り組めることがメリットです。ただし、社員同士が作業中に顔を合わせないため、自然なコミュニケーションが生まれにくいことがデメリットに挙げられます。また、パーティションやパネルなどの設置費用がかかり、スペースも必要とします。

クラスター式レイアウト

クラスター式レイアウトとは、収納棚やパーティションを挟んで、左右で逆向きにデスクを配置するパターンです。

 

クラスター式レイアウトはそれぞれのデスクの独立性が比較的高いのが特徴です。集中力が求められる業務に向いたレイアウトであり、デスクの間に収納棚を設置する場合には、設計士のように資料やカタログ、サンプルなどを必要とする業務に向いています。

クラスター式レイアウトは集中しやすいレイアウトでありながら、前後や左右に位置する社員とのコミュニケーションがとりやすいことがメリットです。一方で後ろからの視線が気になる可能性があることや、設置には広いオフィス空間を必要とすることがデメリットに挙げられます。

フリーアドレス式レイアウト

フリーアドレス式レイアウトとは、固定席を設けずに自由に席を選択できるパターンです。社員の人数分のデスクを置かず、複数人で使用する大型デスクを設置するのが一般的です。個人で管理する書類や私物を保管するためのロッカーの設置が必要になります。

フリーアドレス式レイアウトは、社員がそれぞれ好きな席を選んで仕事をするのが特徴です。社内にいることが少ない営業職のほか、企画職といった他部門との関わりが多い業務に向いています。

フリーアドレス式レイアウトは社員全員分のデスクを用意する必要がないため、オフィスの省スペース化によるコスト削減につながることがメリットです。また、部門の垣根を越えてコミュニケーションをとりやすい環境が生まれます。

一方で、部署ごとのマネジメントがしにくく、業務の進捗を管理しにくい点がデメリットです。フリーアドレス式レイアウトにしても、席が固定化しがちになるケースもみられます。

まとめ

オフィスのレイアウトプランを検討する際には、基準寸法にもとづいたレイアウトが快適な職場づくりにつながります。また、業務や組織風土などから、コミュニケーションの取りやすさやプライバシーの確保の重要度などを踏まえて、自社に合ったレイアウトパターンを選びましょう。